離婚調停とは

「出るところへ出て白黒つけよう!」と争う場合、一般社会では地方裁判所に民事提訴や刑事告訴することをいうが、家庭内のトラブルにかぎっては、いきなり地裁ではなく、【調停前置主義】と呼ばれるものだが、まず家裁で調停を行いましょうというルールがある。

 

 

日本各地にある家庭裁判所では、家庭内におけるトラブル解決を行う。

そこで開かれる調停には、夫婦関係に関わるもの、親子関係のこと、子どものこと、兄弟関係のこと、相続のことなど、家庭の中、それぞれの家族の中でおこるトラブル全般を扱うものである。

 

そして、2004年4月からは、それまでは地裁で争っていた離婚訴訟を、家裁で行うことにもなっている。

 

夫婦関係調整と呼ばれる調停には、主に「離婚調停」と「円満調停」と呼ばれるものがある。それぞれ、夫婦間計調整申立書の左面に氏名や住所を記入し、右面に「夫婦関係解消」「円満解決」の種別と請求内容などの必要事項を書き込んで家裁に提出することからスタートするものだ。(ああ、法律の表現はややこしい)

 

管轄となる家庭裁判所は、相手方の住所地である。

夫婦が同居している場合は、同じ住所だが、別居している(住民票を移動している)場合は、申立を行う相手方が住んでいる場所にある家裁に申立を行うのである。ただし、夫婦が同意すれば合意管轄を決めることもできる。

 

(※例)東京都豊島区に住む私(池内)が、同居している夫に対して調停を申し立てる場合は、東京家裁に申立書を提出する。夫が、「もう君と一緒に暮らすのはイヤだ」と大阪の実家へ戻り彼の住民票を移動したときは、私は大阪家裁に申立書を提出することになる。逆に、夫から「調停をするぞ!」と私に対して行う場合は、彼はどこに住んでいても東京家裁に申立書を提出するのである。

合意管轄とは、夫と私が、「どっちか一人だけ交通費をかけるんじゃなく真ん中で調停をしようよ」ってことで、中間地点の名古屋家裁でやろうと合意すれば、名古屋家裁に申立を行うことができるという意味。

 

 

ここでは、離婚調停について語る。

離婚をしたい、と決意した側から申し立てる調停のことである。申立てにあたって、相手方(配偶者)の同意は必要ない。

申立書には、離婚を決意するに至った経緯を簡潔に書く。子どもの親権など、請求する内容を決めている場合は記入し、すでに具体的な数字がイメージできるのであれば、財産分与や慰謝料、養育費といった金額も記入して提出する。

 

調停申立書の提出から1〜2週間後には、夫と妻それぞれのもとに「調停呼び出し状」が郵送で届く。

夫と妻が別居している場合は別々の居住地だが、同居している場合は、同じ家に2通の呼び出し状が届くわけだ。

 

呼び出し状の日時(15分くらい前)に家裁へ行き、「控室」へ入る。

控室は、調停を申し立てた側と申し立てられた側に分かれている。時間がくると、調停委員が控室に呼びにきてくれるので、調停委員に従って調停室へ入る。

 

入室の順序は、まず、申し立てた側。

そこで、男女一組の調停委員を前に着席し、申し立てた理由など口頭で伝える。ここで書面を持参する人もある。書面を持参する場合は、全部で3枚以内にしたほうが調停委員には読みやすいと思われる。 *(書面の内容や作成方法については別の機会に書きます)

申し立てた側が、20〜30分程度話した後、調停室から退室し控室で待つ。

 

替わって、申し立てられた側が調停委員から呼ばれ、調停室へ入る。

調停委員から、申立側の主張を伝え聞き、その申し立て内容についてどのように考えるかなど、20〜30分程度話した後、調停室から退室し控室で待つ。

 

再度、申立側・申し立てられ側が交替で入室し、調停委員と話す。

 

一度の調停で、二往復の調停室への入室と発言の機会がある。

夫と妻それぞれの希望をきいて次回の調停期日を決め、その日は終了する。

(相手方からの暴力がある場合などは、事前に家裁へ申し出ておくことによって、終了後退室する時間を夫妻別々にしてくれるという配慮もなされる)

 

一回二往復の交互面接(あるいは同席)調停を、3〜10回繰り返すうちに、調停で夫と妻の意見のすり合わせが行われ何らかの合意がみられるよう、調停委員は尽力してくれるのである。合意がみられない場合は、不調あるいは申し立てた側からの取下げとなる場合もある。

 

相手方の了解を得ないまま調停申立を行う場合は、配偶者は驚くかもしれない。でも、まあ、「離婚調停」であればしかたないともいえる。

「円満調停」(夫婦関係をやり直したい、生活費がほしいなど、夫婦を継続するために開く調停)のときには、配偶者を驚かせると関係が悪くなる場合もあるので、注意してほしい。