行政評価システムって?

近年の地方自治体を取り巻く環境を考えると、進行する少子高齢化、悪化する財政状況など、状況は大きな変化を遂げていると言えます。
この様な環境の中で、少ない経費で大きな効果を挙げるためには、効率的で弾力的な行政運営を行う必要があります。
こういった背景から、多くの地方自治体が行政評価を導入することになりました。
これまで、地方自治体における行政運営では、「マネジメント」に必要な情報を収集したり分析するしくみが確立されていませんでした。
このため「計 画」→「実施」という流れで、行政が繰り返されることになっていたのです。

これに対して行政評価システムでは、「評価」「改善」という要素を加え、必要な情報を収集、分析し
Plan(計 画)→Do(実施)→Check(評価)→Action(改善)
というサイクルを実現することが可能となります。
また、透明性の高い行政、住民の参加する行政、効率的な行政運営が可能となるのです。
現在では、多くの自治体が「行政評価システム」を導入し、自治体運営に好影響をもたらしています。

行政評価システムのメリット

行政評価システムの導入によってもたらされる、住民・行政のそれぞれのメリットについて整理してみましょう。

住民のメリット

住民と行政との間に共通の意識・目的を持つことにより、情報公開によって得られる情報から行政を理解することができる。
「どうしてその政策を行うのか?」という行政の意味を知ることができる。
住民にとって「どういう意味があるのか」が成果指標になる。
住民にとっての価値・効果が価値の中心になる。

行政にとってメリット

「なぜその事業を行ったのか」「なぜその事業を中止するのか」を住民に説明する資料となる。
民間の経営手法や、外部の視点を導入することで、行政職員の意識が改革される。
政策を目的から再検討することで、政策立案機能が強化される。

上記のように、「行政評価システム」には、いくつものメリットが考えられます。
職員の事務量が増加する、教育や福祉などの評価が難しいとされる部門が評価対象となる事への心理的抵抗感・・・等々、デメリットと思われるものも存在するが、今後の行政のありかたとして、必須となるシステムである事は間違いないといえるでしょう。

行政評価システムとは?

行政評価システムの導入によってもたらされる、住民・行政のそれぞれのメリットについて整理してみましょう。

行政評価システムとは、行政が実施する活動に対して、下記のようなマネジメントサイクル(PLAN-DOSEE)を活用して、事業を実施における活動内容と成果や取り巻く状況などを総合的に評価し、その評価を今後の行政施策・事業の改善に反映させる事、更によりよい行政を行っていこうとするものです。

行政評価システムのマネジメントサイクル

Plan(計 画)→Do(実施)→Check(評価)→Action(改善)

Plan(計 画)
解決すべき課題に対し、どんな手段が必要か?
事業の目的と成果を明確にして計画する。
Do(実施)
計画に沿って、事業費・職員を投入し、事業を実施する。
Check(評価)
事業の結果から計画は良かったか?
実施状況は良かったかなどを評価する。

行政の活動は、上記のように、政策・施策・事務事業の三層
から成り立っており、これらが目的・手段という関係で連鎖的な構造になっています。
政策目標を達成するためには、それぞれの関係が「有効に機能」している必要があります。

行政評価システムの特徴

行政評価システムの導入によってもたらされる、住民・行政のそれぞれのメリットについて整理してみましょう。

ここでは、国内の地方自治体における「行政評価システムの特徴」をご紹介したいと思います。
各自治体により様々な手法が採られており、多少の差異があるが、よく見られるものをピックアップしてみました。

  • 行政運営の成果を目的に、行政評価を実施する
  • 施策評価と事業評価を中心に評価する
  • 専門家(監査委員等)の評価により客観性を高める外部の専門家も活用
  • 専門家が選定する項目と、要求監査制度を活用し、首長が選定する項目を加える
  • 指摘・意見については、翌年度の予算案・運営方針等に反映結果を明記する
  • 評価結果を点数化するなどして、住民にわかりやすく公表する
  • Plan(計 画)Do(実施)Check(評価)Action(改善)のサイクルを有効活用し行政内部からの意識改革へつなげる
  • 評価結果の公表により、住民と行政の両者協働を活発化させる

海外の行政評価システム

近年、日本の地方自治体において行政改革の手法として導入されている行政評価システム。
その際に参考とされる事が多い英国の行政評価システムにつてご説明します。

英国で行政評価システムが本格的に導入されたのは、1992年度から始まったシティズンズ・チャーターからであるといわれています。
シティズンズ・チャーター(以下「CC」)は、1991年に保守党政権により発表された施策です。
民間におきなぞらえて、行政をサービスの提供者、住民をサービスの利用者と位置づけたものです。
従来の公共サービスというものは、行政側が主体的に決めた内容を提供するといやり方であったが、CCでは、住民にはサービスを受ける権利があり、行政は住民が望むサービスを提供しなければならないという考え方を示しました。
行政は公共サービスにおいて達成されるべき水準、達成されない場合の事後措置と是正手段を、住民にわかりやすい形で提示することが求めれています。

他にも
ビーコン・カウンシル・スキーム(Beacon Council Scheme)
公共サービス協定(Public Service Agreements)
といった、行政評価手法があります。

行政評価システムの目的

行政評価を実施する事には、次のような目的が考えられます。

◆計画(Plan)→実行(Do)→評価(Check)→反映(Acti
on)→計画(Plan)→・・・
というマネジメント・サイクルを確立すると同時に、意思決定の最適化やプロセスの透明化を進めることで行政内部の効率化・活性化を図る。

◆自治体が行っている事務や事業について、市民の皆様に説明する責任を果たし、皆様と情報を共有するとともに、市民の皆様のニーズや満足状況を常に把握して、行政活動へと反映させていく。

◆コスト意識を高め、経営感覚を身につける等の職員の意識改革へつなげる。
同時に、実際の成果を重視し、限られた資源(人・物・金等)を有効に活用する。

行政評価システムの導入にあたって、各自治体が置かれている状況を考え、施策の目的を明確にしつつ導入する事が、十分な成果を発揮する事につながります。
また、住民との強調(パートナーシップ)で取り組むことが最も重要です。